感想

映画「ダウンサイズ」の感想と考察|新しいマット・デイモンが見られる作品

2017年12月22日に公開された「ダウンサイズ」について書いていこうと思います。

この頃のマット・デイモンは「オデッセイ」や「ジェイソン・ボーン」で絶好調だったので、この「ダウンサイズも」大いに期待して鑑賞に挑みました。

個人的には好きな映画です。

映画「ダウンサイズ」 魅力的なあらすじ

〈あらすじ〉
ある科学者の画期的な発明によって、全世界に「ダウンサイズ」という人生の選択肢が増えた。
金銭的、経済的自由を手にすることを決断した主人公とその妻は、夫婦でダウンサイズして生涯を共にする…かのように思えた。

こんな物語を見たことがない

ダウンサイズを決行の途中、主人公の妻は急に我に返り、夫になんの相談もなく病院を抜け出してしまいます。

ダウンサイズして小さくなってしまった後にそれを知った夫は激昂し、1日にして人生のすべてを失ってしました。

冒頭からいきなり、主人公が最愛の妻に裏切られて絶望する…ここまでは割とよくある展開だと思います。

普通の人間とダウンサイズした手のひらサイズの人間が同じ画面に入り平然と会話しているシーンは、視覚的にはすごく違和感がありますが、変わった雰囲気で新鮮味があって面白いです。

小さくなった人間

ダウンサイズして小さくなった人間は、ぱっと見た感じはハムスターぐらい?の大きさになっています。

とてもかわいらしいサイズになってしまうのですが、この時はもう「自分がこのぐらいのサイズになったらどんな感覚なんだろう」と考えていました。

主人公の立場を自分自身に置き換えたとき、金銭的、経済的な事由が手に入るのなら「ダウンサイズ」するかもしれないな、と。

ちなみにダウンサイズするには頭の毛や眉毛など、毛という毛を全剃りしないといけないのですが、なぜか主人公役のマット・デイモンのスキンヘッドに既視感を抱きました。

映画「ダウンサイズ」 途中までの感想

ゆっくりと流れる日常

そのまま起承転結でトントン拍子で話が進んでいくのかと思っていたら、まるでシーズンドラマのようなスローな進みで、彼の無気力な日常が続きます。

人生の一番大事な時に一番大事な人に裏切られてしかも小さい人間になっているんだから当然です。

ダウンサイズして小さくなってからの主人公の生活は、知人にダウンサイズは「失敗だった」と話してみたり、

特に好きでも愛してもいない女性と定期的に食事に行ったり、特に楽しいわけでもないパーティに参加したりと、そんな日常が無気力に流れ続けます。

ダウンサイズしているのに周りの人間もみんな同じく小さい姿で生活しているので、それはそれでまた不思議な感覚になります。

ヒロインの登場

そんな日常をみていると時々でっかい花が出てきたりして、「そうだ、みんな小さいんだ」と再認識させられます。

こういったダウンサイズならではの演出がちょっとずつちりばめられていてとても面白いです。

ダウンサイズした人たちの日常と、普通の人たちの日常のあいだのギリギリのところをあえて計算しているのだとしたらすごいと思いました。

そういったギリギリの状態で、ある日、ヒロインらしき人物が登場します。

映画「ダウンサイズ」 いつのまにか応援している

おもしろいキャスティング

以前の仕事を活かして人の役に立とうと思い始めた彼は、ヒロインと行動を共にすることになります。

初めこのヒロインが登場する場面は「ついにヒロインが登場した!」という感じではなくて、ふつうに部屋の洗面台で薬を探しているのを主人公が発見します。

主人公とヒロインは行動を共にすることになり、何をやっても優柔不断な主人公に、ヒロインは活を入れ続けます。

このヒロイン役のホン・チャウの話し方や演技が、とても目新しく新鮮な気持ちになりました。

こんなマット・デイモンは見たことがない

主人公の無気力だった日常と、そのだめっぷりを存分に見せられて、本当にシーズンドラマを何話か見たような感覚に近くなってくるのですが、この辺りまでは逆に期待してもいました。

主人公役がマット・デイモンというのがとても期待を煽り、ボーンシリーズ的なカッコいい男の部分をそのうち見せてくれるのでは?と勝手に思っていたのです。

しかし、いつのまにかこのダウンサイズのマット・デイモンがだんだんと好きになっていて応援している自分がいました。

映画「ダウンサイズ」 ラストシーン考察

もうちょっとみたいかも…

ラストが近づくにつれて不思議と、「あれ、もうちょっと観たいかも」と思っている自分に気づきました。

こんなにだめだめなのに、とにかく主人公に頑張ってほしくて、いつの間にか応援している。

マット・デイモンがこういった役をやることはあまりないというのもあって、ここまで来たらかっこいいマット・デイモンではなくて、人間味があって優柔不断なマット・デイモンを見ていたい、

というような気持になっていました。

もしかしたら、この映画はそれが狙いで作られたのでは…と思うほどです。

観たことのないラスト

なんにでも妥協する主人公がラストで選んだ道…なんなんでしょうかこのラスト、観たことがない。

この映画はジャンルでいうといったい何なのかはよくわかりませんが、おそらくSFヒューマンコメディ。

観終わるころにはこれまで味わったことのない気分になっていて、良いとか悪いとかではなく、個人的には好きな作品です。

まとめ

映画「ダウンサイズ」の感想と考察|新しいマット・デイモンが見られる作品、について書かせていただきました。

この作品のストーリーを改めて考えてみても「なんだこれ」と、いまだになってしまいますが、やはり主人公がマット・デイモンなので、けっこうなハリウッド映画の王道パターンを想像していたのかもしれません。

マッド・デイモンが出演している映画は外れがなくてどれも好きですが、この映画「ダウンサイズ」も間違いなくおすすめです。

ご覧いただきましてありがとうございました。

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